2014年4月17日木曜日

障害者ユニオン推進委員会ニュース4号

障害者ユニオン推進委員会ニュース  2013年度第4号(2014年4月16日)
       全国福祉保育労働組合・障害者ユニオン推進委員会
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《障害者の生活と権利を守る千葉県連絡協議会(障千連)と千葉支部と
      「障害者の就労実態等に関する懇談・交流会」をしました》

3月23日(日)に、千葉市中央コミュニティセンターで行いました。参加者は、障害者6名・障害者の家族1名・障千連4名・千葉支部2名・中央本部3名の16名でした。精神障害と発達障害の障害者の参加のきっかけは、ツイッターを見てとのことでした。職場で、障害者が少なく、孤独になっており、話せる場・聞いて貰える場として、何かないかとインターネットを検索し、ツイッターを見ていると話されていました。

《障害者も労働者》
 懇談・交流では、障害者も障害のない人たちと同じで、働くということは人として社会と繋がりたい・繋がっていたい、生活のため、生きがいということです。ですから、仕事を解雇された後に病気になり、生きがいもなくなり、福祉制度も不充分な状況もあり、自殺した人がいたとの悲しいできごとを話してくれた人もいます。 

 〈障害労働者の就労の現実は厳しい〉
 精神障害者や家族からは、改正障害者雇用促進法で精神障害者の雇用義務化となり、期待はしているが、まだまだ社会の精神障害者に対する理解が不充分で、企業が採用を避けている等の状況と話されました。精神障害者に限らず、多くの障害者の生活は少ない障害年金と親の扶養で成り立っていることの改善が必要です。仕事が続けにくい人が多いので、企業の経営者と障害のない労働者の理解とサポートが必要ですが、国に早期に雇用義務化することを求めていきたいと決意を話されました。また、特に精神障害者や発達障害者は、障害を告知しないで仕事に就く人が多く、告知をしていないため、仕事上の配慮等をお願いすることができず、無理して働き、体調を崩し、結果として長続きしない原因になっています。しかし、障害を告知すると面接すらも受けられないこともあり、障害を告知しない選択を就職するためには「仕方がない」と自分に責任があるという話され方でした。

 視覚障害者は、『見えない』ということで起こったことを話していただきました。雇用契約書や就業規則を自ら確認することができないので、読み上げて貰い説明をされ、納得をして雇用契約を結びます。トラブルがなく働いている時は、雇用契約書も就業規則も気にせずに働いていますが、トラブルが起きた時に説明をされていた雇用契約書や就業規則の内容とは違うことで、解雇通告を受けた経験があるとのことでした。本来ならば、説明時に全てを読み上げていなくてはいけないのですが、雇用主が賃金や有休の最低限の規則のみを知らせていて、本人は全ての説明を受けていません。こういう時に、「一人で闘うのは難しい、サポートが欲しい」と話されました。この時は、視覚障害者団体が雇用主と話しあいをして解決されました。また、「労働問題ですから、障害者団体が対応することに限界があります。労働組合が法的に対応して貰える方が、安心感があります」と、労働組合の必要性と期待を話されました。

 発達障害者は、見た目では障害の有無がわからず、音や人影等に過敏に反応することへの理解が得られずに困っておられました。また、障害者雇用枠も、障害種別を限定することはできないので、求人がある企業と面接をしても「発達障害はよくわからないから、無理だなぁ」と言われることが多々あると話されていました。また、契約期間が、三カ月や半年が多く、一年契約というのはほとんどないのが現状とのことです。

 脊髄損傷の当事者団体の方からは、「脊髄損傷者を雇用したいと思っているが、利益が出るところではないので、助成がないと不可能である。その助成に期限があると、財政問題もあり雇用できない」と現状を話されました。加えて、企業も同じで、メリットを見いだせないでいるので、雇用に結びつかないのではと話されました。


〈働いているのに〉
就労継続支援B型で働いている方は、「配偶者がいるので利用料の支払いがあり、働いた工賃から食費と合わせると、工賃の半分が必要できつい」「せめて利用料がいらないようにして欲しい」と切実に話されました。

〈わかって欲しい〉
障害特性の問題では、「働くことにより生きがいや自立ができることもあるが、二次障害を発症すると、仕事が辛くなり、退職することも多い」と話され、「労働問題と福祉の問題、健康の問題の一体的な考えがないと、障害者は働き続けられない」と話されました。

最後に、「懇談・交流会の場に参加した人は、話も聞いて貰えるし、悩みへのアドバイスも貰えるから、まだいいと思う。参加できない人の方が、深刻で大変だと思う。組合を早く」の要望が出されました。

千葉支部からは、「保育園で働いているので、聞く話は初めてのことばかり。でも、卒園した子どもたちが、直面するかもしれないこととして考えていきたい」との感想が出されました。

今回の懇談・交流会で話されたことは、企業責任を果たすという問題もありますが、国の政策が不充分なために起こっていることばかりです。障害の有無に関わらず、働くという行為は、人として当たり前のことです。当たり前の権利=労働権が保障されないことは許されることではありません。福祉保育労として、福祉労働者の労働条件と福祉は権利の運動をすすめるのと同じぐらい大切な運動として、障害者ユニオンづくりをすすめていきたいです。
                                  
孤立している障害者一人ひとりを繋げる場として、全国各地で懇談・交流会を開催していきたいと、地方の『障害者の生活と権利を守る連絡会』と計画中です。当該の地域での開催には、是非ともご参加をお願いします。



1月の中央委員会で提起した、障害者ユニオンの学習パンフを使った、地本・支部の執行委員会、障害種別、分会での学習会終わりましたか
まだのところは、春闘の取り組み、拡大キャンペーンと忙しい時ですが、必ず取り組みをしてください。よろしくお願いします。


2014年4月1日火曜日

障害者ユニオン推進委員会ニュース第3号

障害者ユニオン推進委員会ニュース             2013年度第3号
全国福祉保育労働組合・障害者ユニオン推進委員会
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障害者が働き続けるための支援って?
 就労系事業所(作業所)は、作業や余暇活動等を通じて発達を保障し、働く力や人として生活を送る力を育む活動をしています。また、障害者の『働きたい』という願いを実現するために、就労支援を行っています。
今号は、福祉保育労障害種別協議会事務局長のFさんに、就労支援員・ジョブコーチとして働かれている経験を通じて、障害者が働くという現状と課題についてまとめていただきました。

★『就労支援』って何?
障がいを持った方の就労支援は、障害者自立支援法の一つの強化テーマとして掲げられました。現在、全国で就労移行支援事業所等により、障がいを持った方の一般就労が促進されています。また、障害者雇用促進において厚生労働省も地域の就労支援者の強化を考えています。
そもそも障がいを持った方の就労支援って何?何をしてくれるの?と疑問に思う方は多いでしょう。簡単に言うと、『本人の「働きたい」という願いを実現する支援』と私は考えています。
障がいを持った方の就労支援は、一般企業への就労支援だけではなく、障害福祉サービスの就労継続支援A型事業や就労継続支援B型事業などの福祉的就労と呼ばれるものにも就労支援はあります。例えば、就労継続支援B型事業において、本人の工賃(給料)を上げる為に作業支援を行う。これも就労支援なのです。就労支援というのは、一般就労だけではなく福祉的就労を含めた、幅広い分野であるのと同時に「本人の働きたい」を実現する重要な仕事であります。

★『ジョブコーチ』って何?
障がいを持った方の就労支援において、『ジョブコーチ』という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。『ジョブ=仕事、コーチ=教える』を合わせて『障がいのある方へ仕事を教える人』になりますが、本当は、『企業と本人との間に立ち、本人がスムーズに働くことができるように本人、企業へ助言等を行う人』です。
ジョブコーチの目的は、『本人が安心して長く働く事』を目指しています。その為に、本人だけではなく企業側にも支援をします。企業側への具体的な支援は、本人の障害特性を伝える事や本人が分かりやすく教えるコツ、本人とのコミュニケーションなどです。ジョブコーチがいればできるでは、長く働く事は難しいです。ジョブコーチがいなくても安心して働くことも目指しています。     
ジョブコーチの役割の一つとして定着支援があります。具体的には、雇用と同時に支援を行い2ヶ月~3カ月ほど集中して支援を行い、就職を定着するのがねらいです。主な内容として、本人に対しては、仕事の定着、会社のルール(コミュニケーション)。事業所(企業)に対しては、本人に対しての関わり方、指示の出し方。などを支援していきます。この部分がうまくいかないと継続して働く事は難しいです。

★働き続けるには…
私は、障がいをもった方の就労支援に携わり、『就職をさせる支援』より『働き続ける支援』の方が難しく、高い支援技術が必要であると感じています。その理由が、支援を求める障がいを持った方の多くが、環境や変化に弱いという部分です。
高い支援技術を持ったジョブコーチや支援者は、本人のアセスメント(特性)と働く場(企業)のアセスメントを事前に把握して、合うか合わないかを検討します。これをジョブマッチングと言います。このジョブマッチングの見極めが、働き続けることで大切なことです。
また、ジョブマッチングが合っていても、働いていくうちに企業は変化していきます。逆に変化しない企業は少ないと思います。例えば、何年か働いていて突然上司が異動により変わってしまった。変わった上司が障がいに対する理解がない為、上司との関係がうまくいかず、今までできていた仕事ができなくなってしまう。できていた仕事ができない為、上司から怒られる日々が続き離職に繋がってしまいます。
働くうえであたり前のような変化に対しても敏感に反応してしまう方もいる。このような離職を防ぐためにも、定着後も支援者は企業と情報交換していく必要があります。

★障害者ユニオンは必要
昨年の4月から障害者雇用率が1.8%から2.0%に上がり、多くの企業で障害者雇用を進めています。平成304月には精神障害者の雇用義務化による雇用率の上昇が行われる予定でいます。このような情勢の中で、障害者雇用の受け皿はどんどん広がっていきます。受け皿が広がる事はとても良いことです。
 しかし、雇用の促進ばかりに目がいってしまい、『雇用の継続』や『雇用の現状』に目が行かなくなっています。
私は、相談支援員ではありませんが、地域の障がいのある方から就労相談を受ける事があります。内容は、「働きたいけどどうしたら良いか分からない。」「転職をしたい。」「一緒に働いている方からいじめを受けている。」「残業代が払われていない。」など…。       障がいのある方の雇用は、障がいがあるなし関係なく同じ企業で働くのであれば、同じ権利を持つべきであるが、現状は差別になっている所があります。それが、一般企業だけではなく、就労継続支援A型事業所のような福祉的就労にも起こっています。そこで働いている方は、「働かないと生活できない」「もう辛い就職活動は嫌」など悪条件でも働いている方がいます。働く障がいをもった方の立場は、障がいのない方に比べてまだまだ差が大きいです。また、差があるにも関わらず本人が声を出して労働運動を行うことは少ないです。
『障害者ユニオン』により、一人では声を出していくことができなくても、同じ悩みを抱える仲間と一緒に運動することにより、『当たり前に働く権利』を主張していくことができます。
私は、障害者雇用が促進している今こそ、働く障がいを持った方の『障害者ユニオン』は不可欠で、地域で当たり前に働き、当たり前に生活する社会を実現する為にも、力を入れて取り組むべきものであります。



 障害者が働くという理由は、障害のない人たちと同じで、「経済的にも、精神的にも自立がしたい」ということです。障害のない人たちも、自分の好きな仕事をすることができなかったり、サービス残業などがない人間らしい働きかたができていませんが、障害者は、障害者だから多少のことはがまんして働くということが常態化しています。この状態を改善するために、ジョブコーチをはじめとする多くの支援者がいますが、全体的に不足をしている現状があります。厚労省は、『地域の就労支援の在り方に関する研究会(第二次)』を開催し、3月4日に報告書としてまとめました。障害者雇用で強化するべき点として、就労の定着が重要とし、ジョブコーチや障害者就業・生活支援センターで定着支援を強化することが必要としました。また、企業からの相談窓口としても、重要としています。2014年4月からの予算で、就業・生活支援センターの増加と支援員の増員などをすることとしていますが、働く障害者の数を考えると、来年度の予算では不充分なままです。国として、障害者も日本の大切な労働者とするならば、抜本的な改善と予算の大幅増額をしていくべきです。2013年6月に改正された障害者雇用促進法の内容に沿って、具体的な検討を研究会で行い、まとめられました。このまとめた内容について、国として責任を持って、実行性あるものとする必要があります。このことについては、福祉保育労として障害者ユニオン推進委員会を中心に厚労省に要望を強めていきます。



2014年3月21日金曜日

聴覚障害者のみなさんへ

音楽家の方の影響で、聴覚障害者のみなさんにも少なからず影響が出ているようです。

ご家族の方から、会社で「聞こえているのでは」「騙してないよね」と心無い質問が連日されていて、精神的にまいってしまつているので「どうしたらいいか」と相談がありました。

障害者差別解消法で精神的虐待を行ってはいけないとなっています。この件はそれに当たると考えられるので、労基署で相談をするようにアドバイスをしました。

聞こえているか、聞こえていないかは、見ただけではわかりません。だからと言って、何でもかんでも偽っているのではとすることは許されることではありません。
聞こえている人が聞こえていないように振る舞うなんて無理ですし、聞こえていない人が聞こえているように振る舞うなんてありえません。口話ができて、少し話せる人が、偽っていると言われるのかもしれませんが、口を読み取り、話すことができるようになるには、血の滲むような努力の結晶です。それを見て、話せるから聞こえていると考えるのは、単純すぎます。

このように疑われているみなさん、毅然として『偽っていない』と主張しましょう。
それでも疑う人がいるならば、障害者ユニオンまでご相談ください。
メール(jdu.center@gmail.com)かファックス(075-822-6220)にご連絡ください。
みなさんの味方となって対応をいたします。

2014年3月11日火曜日

東日本大震災から3年

あっという間なのか。
長かったのか。
それぞれが、それぞれの今の状況により感じ方は違うと思います。

障害者は、障害のない人と比べて、死亡者が2割も多かった現実を考えると、あっという間でもなく、長ったというわけでもないのかもしれない。
障害のある人を亡くした家族は、そんな一言で片づけられることではないでしょう。障害者であっても、かけがえのない命であり、家族だから。

まだまだ、障害者が充分な生活を過ごすことができるまでの復興にはなっていません。
障害者が、充分な生活が送れない街は、弱くてもろい街です。
復興にも、障害者権利条約の精神を大切にして貰いたいと考えます。

これからも東日本大震災のことを忘れずに、一歩一歩と復興していく姿を見続けていきたいと思います。

2014年3月10日月曜日

障害者ユニオン推進委員会ニュース第2号

障害者ユニオン推進委員会ニュース      2013年度第2号
                 全国福祉保育労働組合・障害者ユニオン推進委員会
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中央委員会で提起された、障害者ユニオンの取り組みをすすめてください

 1月18日の中央委員会で、障害者ユニオン推進委員会の取り組みの現状報告と今後の取り組みを提起しました。また、障害当事者による障害者ユニオンの必要性等に関するお話をしていただきました。
 推進委員会からは、労働・生活実態調査や労働相談、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会と連携しておこなった厚労省交渉の様子を中心に報告しました。劣悪な条件と障害特性を理解してもらえずに、我慢して働くか自己都合退職するしかないこと、国は障害者雇用促進とはいうものの、企業が雇用していくための支援が中心で、労働条件の改善をはじめとする、働き続けていくための助成がなされていない現状があり、助成方法の改善を考えていないことが明らかになったことなどです。
 今後の運動提起として、①学習パンフを使っての障害者ユニオンづくり運動の学習を、地本・支部の執行委員会で行うこと。また、障害種別だけでなく、種別に関わらず、学習会の取り組みをすすめること、②障害種別分会を中心に、就労支援の現状と課題についての交流会を行うこと、③障害者の就労実態等に関する懇談・交流会への参加を組織すること(案内は別途します)、④障害者ユニオンづくりの宣伝をすることの4点です。福祉保育労として、障害者の労働権確立をめざして障害者ユニオンづくり運動の取り組みをしています。同じ働く仲間たちの実態を学んだり、聞いたりすることは、私たちの組合活動にも必要なことだと考えます。春闘や仕事で忙しい時期ですが、取り組みをすすめてください。


愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会と東海地本との
「障害者の就労実態等に関する懇談・交流会」を開催しました

 2月11日に、名古屋市で障害者の就労実態等に関する懇談・交流会を開催しました。寒さが厳しく、インフルエンザが流行し、現在、就労をしている障害者の参加が急遽キャンセルとなりました。愛障協からは3名、東海地本からは四役4名と組合員2名が参加しました。
 はじめに、労働・生活実態調査や労働相談で明らかになったこと、障全協とおこなった厚労省交渉の様子から、国の障害者雇用促進の姿勢等について報告しました。この報告を受けて、「解雇に値する事例や虐待と考えられるケースがあるのに、障害者虐待防止法や障害者差別解消法が実効性あるものとして機能をしていないのでは」との感想がありました。国は、この二つの法で、雇用の場面でも問題解決を図ろうとしていますが、対応する行政機関や労働基準監督署での捉え方が、障害者に寄り添ったものになっていない現実があります。厚労省は、研究会を立ち上げて検討をしていますが、財界に都合の良いようにまとめていくことが懸念されます。このことをとっても、障害者が労働の場で権利の主体者となるために、労働権確立の運動が必要になっていることがわかります。
 参加者の交流では、「最賃の減額が前提での雇用になっている。支援者は最賃と考えるが、本人が納得していると、何もできない」との実態が報告されました。障害者の労働遂行能力が、障害のない人と比べて劣ると決めつけていることが問題です。労働遂行能力は、障害のない人でも、千差万別です。だからといって、賃金が減額されることはありません。基準が定かではない能力という言葉で、賃金差別を受けています。これが、厚労省が推奨する、雇用する企業のメリットです。
また、障害に対する配慮や無理解で働き続けられない人がいることも、大きな問題です。障害者権利条約が批准され、それに対応するために、障害者雇用促進法も改正され、2年後からの施行となります。少しずつ企業の考え方が変わってくることが考えられますが、それまで我慢をして働くというのもおかしなことです。法の施行に関わらず、人として、その人らしく、ディーセント・ワークの考えで働けることを求めていくことも重要であることを交流しました。
最後に、障害者ユニオンづくりでは、「地域のネットワークをどうのようにして作っていくのか」との質問がありました。障害者の就労実態を考えると、一刻も早く結成することが必要です。しかし、現状では、加入を考えていくという意思表示のある障害者の人数は多くありません。一つひとつ懇談を重ね、労働運動を取り組んでいこうという呼びかけを丁寧にする必要があり、福祉保育労や障害者団体を通じて、ユニオンづくりをしていることの宣伝ビラを活用し、強化していくことを確認しました。同時に、福祉保育労は、中央委員会で提起した、種別を越えての障害者ユニオンづくりの学習パンフを使っての学習と、障害者団体と連携しての懇談・交流会を、全国で取り組んでいきます。

障害者の就労実態等に関する懇談・交流会のお知らせ

 3月23日(日)午後1時から4時まで、千葉市中央コミュニティセンターサークル室6(千葉モノレール・市役所前駅下車すぐ)でおこないます。千葉支部の組合員のみなさんのご参加をお願いします。懇談・交流会では、ユニオンづくり運動の取り組みとしておこなった、障害者の就労実態調査や労働相談等の報告もします。また、当事者から就労の現状や働き続けたいとの思いをお聞きし、福祉保育労として、障害者の労働権確立をどのように取り組むかを考えます。ユニオンづくり運動の、貴重な学習の場として、近郊の組合員の方々のご参加も歓迎です。


感想を寄せてください。

3月23日は、千葉市中央コミュニティセンターサークル室で、就労実態等に関する懇談・交流会をします。
千葉県の方はじめ、近郊の方もご参加ください。

2014年3月6日木曜日

障害者ユニオン推進委員会ニュース

古いものですが、1号を掲載します。



障害者ユニオン推進委員会ニュース      2013年度
                  全国福祉保育労働組合・障害者ユニオン推進委員会
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 障害者が働くということが、社会の中で認められつつあります。しかし、障害者は、企業の中では少数です。障害があるということを理解して貰い、同僚であり、企業にとって大切な働き手になっていくためには、越えなければならない現状が多くあります。
 今回は、長く就労支援事業所で働いていましたが、この春に車の販売会社に就職をしたIさんの声と、それを支える就労支援員Hさんの、Iさんへの思いと障害者が就労するのに何が必要なのかについてお聞きしました。

Iさんは、養護学校(特別支援学校)卒業後に、一般就労をしていましたが、労働条件の悪さ等の理由で、退職をしました。それから、就労支援事業所で働きながら、法人が経営するグループホームで入浴介助等の仕事もしながら、企業就職をめざして、ハローワークに行ったり、職場実習に行ったりして、働く力をつけてきました。Iさんの就職をしての感想をお聞きしました。


Iさんの話

(よかったこと)
一番よかったことは、車が好きなので、車関係のしごとができてとかったです。
初給料でお父さんに、車をプレゼントしました。
親が安心してくれました。
仕事になれてきたら、会社の人となかよくなったりもしました。
会社でなんでも、相談できる人ができました。
ほかにもつなぎがきれるようになったことがよかったです。
仕事をしてやせました。
最近は、給料でヘッドホンを買いました。

(うれしいことは)
毎日洗車をして、お客さんにきれいになったねと言われたことがうれしいです。
給料はを月給で14万円も、もらえるようになり、お母さんの給料をぬいてよかったです。
近所の人や、知っている人に就職したよと話したら、よかったねといわれました。

(こまっていることは)
雇用契約は1年間ですが、1年がたったらまた更新されるかが不安でいっぱいです。

(つらいことは)
おこられて落ち込むことです。

(仕事は、なにが楽しい)
お客さんの車や試乗車 展示車 代車 新車を洗うのがたのしいです。

だから一生懸命がんばりたいです。

 就職ができて、喜びいっぱいのIさんの気持ちが溢れています。しかし、来年の契約更新は「頑張っていたら」と抽象的な表現でしかされていません。Iさんは、どういうことなのかがわからず困っています。本人に対して、頑張るとはどういうことをいうのか、具体的に話していただくことが必要ですが、上司にはこの表現をするのが精一杯の状態と考えられます。そこで重要になるのが、定着支援をすることです。Iさんに対して、いろいろとアドバイスをしている、就労支援員Hさんにお話をお聞きしました。

Hさんの話

Iさんは特別支援学校を卒業後、養鶏所に就職していました。しかし、労働条件の悪さに退職を余儀なくされました。その後、就労支援事業所に入所しました。Iさんは体格が良くて、誰に対してもニコニコと挨拶ができる社交的な男性です。「かわせみ」に入所して慣れてくると、また一般就労をしたい気持ちが強くなりました。職員たちは彼の思いを大切に、“どんな仕事が向いているのか”“何が好きなのか”と話し合い、就労支援センターの方や地域の方々の協力を頂き、様々な会社見学や実習、アルバイトをしました。そして、やっと彼の大好きな車に関わる仕事に就くことができました。今も週1日事業所に通所して、清々しい表情で作業しています。自分の好きな仕事で“やりがい”を感じて働いているから、こんなにも生き生きと輝けるのだと思います。また、自分のお給料でお父さんに車をプレゼントしたことで、家族や周囲から1人の社会人として認められ、とても誇らしいだろうと思います。
仲間(障害者)も私たちと同じように11人やりたい仕事があります。みんながやりたい仕事に就けるとは思いませんが、多少の辛いことがあっても、やりたい仕事や自分が楽しいと思う仕事であれば、仲間は強い力を発揮できます。現に、Iさんは通勤で片道1時間もかかるのにも関わらず、無遅刻無欠勤で勤め、着実にスキルアップしています。
事業所にはIさん以外にも一般就労している仲間たちがいます。どの人も就職して頑張って働いていますが、まだまだ不安があります。1年の雇用契約が来年も更新されるかどうか、これから先も働き続けられるだろうかと仲間も職員も心配になります。
施設は一般就労している仲間たちを支えるのに限界があります。就労支援員は現場の体制があって、急に会社訪問に行くことができません。また、制度で定められたアフターフォローの期間はとても短すぎます。だから、就労支援センターや就業・生活支援センターなどの様々な機関と連携して長期に渡って継続して支援していく制度が必要です。それぞれの支援者たちが本人との関係を作り、顔が思い浮かぶようなフォロー体制を作ることが肝心です。
会社に就職すると、社内での本人の様子がよく見えなくなります。お昼ご飯をいつも1人で食べていたり、飲み会の誘いを断っていたり、社員旅行に誘われなかったりするなど、同じ社員なのに不自然な人間関係になっている話を聞いています。仕事の時間外で会社の人との付き合いをするかは自由ですが、人と関わることが好きな仲間でも会社の人と出かけません。まだ人間関係が浅いからなのか、本人が障害者という障壁をどこかで感じているから、進んで参加したいと思えないのか。理由は分かりませんが、働き続ける為には職場の人間関係が重要だと思います。
私は職場に励ましてくれる先輩、失敗した時に快くフォローしてくれる仲間、信頼してくれている後輩がいます。仕事は全て楽しい事ばかりではなく、辛い事もありますが、そういう支えてくれる人間関係があって乗り越えられていると実感しています。
本人の気持ちや頑張り以外に、一緒に働く社員の方が“同じ社員”として深く付き合って、仲間を支える人間関係があれば、本人にとってずっと働きたい職場になると思います。
仲間が一般就労して働き続ける為には、会社と施設と就労支援機関との連携が欠かせません。会社が障害者を受け入れようと努力すること、施設が障害者の生活を支え、余暇活動も含めて支援を継続すること、就労支援センターなどの支援機関が積極的に関与すること、それぞれが一方的に支援していたのでは意味がありません。お互いに歩み寄り、本人を支えるより良い人間関係を構築していくことが私たち支援者の課題だと思います。

 就職をした人たちを支える機関は、障害者自立支援法施行以降に、障害者就業・生活支援センターが設置され、充実が図られています。しかし、現在は、全福祉圏域にはありません。また、設置されていたとしても、職員数は少なく、充分な対応ができる状況ではありません。来年度の予算概算要求で、332箇所の整備となりますが、全福祉圏域ではありません。早急に実現がされるように、要求をしていく必要があります。
 就労をさせるのは、何度もハローワークに通い、職場実習を積み重ねても就労に結びつくことは少ない状況ですが、職場に定着し、働き続けられるようにしていくことは、就労をさせるよりも困難です。本人を良く理解している就労系事業所が、その一翼を担うことは重要ですが、職員体制が不充分ななかでは、本人や企業の求めに応じることは困難です。




 障害者ユニオンでは、就労系事業所の職員体制の充実や低賃金の現状を変えていくためにも、福祉政策の充実を求めています。また、福祉政策だけではなく、労働政策の一環として、労働法を適用させることと、労働法が適用になった場合の職員体制や事業所運営の安定化を求める運動もしていく必要があると考えています。就労系事業所であろうと、企業であろうと、働いていれば労働者です。障害者自立支援法廃止運動の目的の一つの『働いているのに、利用料を払うのはおかしい』の精神に基づいて、就労系事業所で働く、組合員と障害労働者と一体なって、労働権の確立をめざしていきましょう。

障害者ユニオン推進委員会報告
中央委員会で、この間の活動報告とともに、福祉保育労として取り組むことを提案しました。また、当事者の方から、障害者ユニオンの必要性等の訴えをさせていただきました。各地本・支部の障害種別を中心にした、就労支援の交流と障害者ユニオンづくり運動の学習会を計画しています。また、障害者団体にも呼びかけて行う、就労実態等に関する懇談・交流会の準備をすすめます。東海地本は、2/11(祝・火)13時~16半で労働会館本館小会議室で行います。その他の地域は、決まりしだいお知らせします。