2014年4月1日火曜日

障害者ユニオン推進委員会ニュース第3号

障害者ユニオン推進委員会ニュース             2013年度第3号
全国福祉保育労働組合・障害者ユニオン推進委員会
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障害者が働き続けるための支援って?
 就労系事業所(作業所)は、作業や余暇活動等を通じて発達を保障し、働く力や人として生活を送る力を育む活動をしています。また、障害者の『働きたい』という願いを実現するために、就労支援を行っています。
今号は、福祉保育労障害種別協議会事務局長のFさんに、就労支援員・ジョブコーチとして働かれている経験を通じて、障害者が働くという現状と課題についてまとめていただきました。

★『就労支援』って何?
障がいを持った方の就労支援は、障害者自立支援法の一つの強化テーマとして掲げられました。現在、全国で就労移行支援事業所等により、障がいを持った方の一般就労が促進されています。また、障害者雇用促進において厚生労働省も地域の就労支援者の強化を考えています。
そもそも障がいを持った方の就労支援って何?何をしてくれるの?と疑問に思う方は多いでしょう。簡単に言うと、『本人の「働きたい」という願いを実現する支援』と私は考えています。
障がいを持った方の就労支援は、一般企業への就労支援だけではなく、障害福祉サービスの就労継続支援A型事業や就労継続支援B型事業などの福祉的就労と呼ばれるものにも就労支援はあります。例えば、就労継続支援B型事業において、本人の工賃(給料)を上げる為に作業支援を行う。これも就労支援なのです。就労支援というのは、一般就労だけではなく福祉的就労を含めた、幅広い分野であるのと同時に「本人の働きたい」を実現する重要な仕事であります。

★『ジョブコーチ』って何?
障がいを持った方の就労支援において、『ジョブコーチ』という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。『ジョブ=仕事、コーチ=教える』を合わせて『障がいのある方へ仕事を教える人』になりますが、本当は、『企業と本人との間に立ち、本人がスムーズに働くことができるように本人、企業へ助言等を行う人』です。
ジョブコーチの目的は、『本人が安心して長く働く事』を目指しています。その為に、本人だけではなく企業側にも支援をします。企業側への具体的な支援は、本人の障害特性を伝える事や本人が分かりやすく教えるコツ、本人とのコミュニケーションなどです。ジョブコーチがいればできるでは、長く働く事は難しいです。ジョブコーチがいなくても安心して働くことも目指しています。     
ジョブコーチの役割の一つとして定着支援があります。具体的には、雇用と同時に支援を行い2ヶ月~3カ月ほど集中して支援を行い、就職を定着するのがねらいです。主な内容として、本人に対しては、仕事の定着、会社のルール(コミュニケーション)。事業所(企業)に対しては、本人に対しての関わり方、指示の出し方。などを支援していきます。この部分がうまくいかないと継続して働く事は難しいです。

★働き続けるには…
私は、障がいをもった方の就労支援に携わり、『就職をさせる支援』より『働き続ける支援』の方が難しく、高い支援技術が必要であると感じています。その理由が、支援を求める障がいを持った方の多くが、環境や変化に弱いという部分です。
高い支援技術を持ったジョブコーチや支援者は、本人のアセスメント(特性)と働く場(企業)のアセスメントを事前に把握して、合うか合わないかを検討します。これをジョブマッチングと言います。このジョブマッチングの見極めが、働き続けることで大切なことです。
また、ジョブマッチングが合っていても、働いていくうちに企業は変化していきます。逆に変化しない企業は少ないと思います。例えば、何年か働いていて突然上司が異動により変わってしまった。変わった上司が障がいに対する理解がない為、上司との関係がうまくいかず、今までできていた仕事ができなくなってしまう。できていた仕事ができない為、上司から怒られる日々が続き離職に繋がってしまいます。
働くうえであたり前のような変化に対しても敏感に反応してしまう方もいる。このような離職を防ぐためにも、定着後も支援者は企業と情報交換していく必要があります。

★障害者ユニオンは必要
昨年の4月から障害者雇用率が1.8%から2.0%に上がり、多くの企業で障害者雇用を進めています。平成304月には精神障害者の雇用義務化による雇用率の上昇が行われる予定でいます。このような情勢の中で、障害者雇用の受け皿はどんどん広がっていきます。受け皿が広がる事はとても良いことです。
 しかし、雇用の促進ばかりに目がいってしまい、『雇用の継続』や『雇用の現状』に目が行かなくなっています。
私は、相談支援員ではありませんが、地域の障がいのある方から就労相談を受ける事があります。内容は、「働きたいけどどうしたら良いか分からない。」「転職をしたい。」「一緒に働いている方からいじめを受けている。」「残業代が払われていない。」など…。       障がいのある方の雇用は、障がいがあるなし関係なく同じ企業で働くのであれば、同じ権利を持つべきであるが、現状は差別になっている所があります。それが、一般企業だけではなく、就労継続支援A型事業所のような福祉的就労にも起こっています。そこで働いている方は、「働かないと生活できない」「もう辛い就職活動は嫌」など悪条件でも働いている方がいます。働く障がいをもった方の立場は、障がいのない方に比べてまだまだ差が大きいです。また、差があるにも関わらず本人が声を出して労働運動を行うことは少ないです。
『障害者ユニオン』により、一人では声を出していくことができなくても、同じ悩みを抱える仲間と一緒に運動することにより、『当たり前に働く権利』を主張していくことができます。
私は、障害者雇用が促進している今こそ、働く障がいを持った方の『障害者ユニオン』は不可欠で、地域で当たり前に働き、当たり前に生活する社会を実現する為にも、力を入れて取り組むべきものであります。



 障害者が働くという理由は、障害のない人たちと同じで、「経済的にも、精神的にも自立がしたい」ということです。障害のない人たちも、自分の好きな仕事をすることができなかったり、サービス残業などがない人間らしい働きかたができていませんが、障害者は、障害者だから多少のことはがまんして働くということが常態化しています。この状態を改善するために、ジョブコーチをはじめとする多くの支援者がいますが、全体的に不足をしている現状があります。厚労省は、『地域の就労支援の在り方に関する研究会(第二次)』を開催し、3月4日に報告書としてまとめました。障害者雇用で強化するべき点として、就労の定着が重要とし、ジョブコーチや障害者就業・生活支援センターで定着支援を強化することが必要としました。また、企業からの相談窓口としても、重要としています。2014年4月からの予算で、就業・生活支援センターの増加と支援員の増員などをすることとしていますが、働く障害者の数を考えると、来年度の予算では不充分なままです。国として、障害者も日本の大切な労働者とするならば、抜本的な改善と予算の大幅増額をしていくべきです。2013年6月に改正された障害者雇用促進法の内容に沿って、具体的な検討を研究会で行い、まとめられました。このまとめた内容について、国として責任を持って、実行性あるものとする必要があります。このことについては、福祉保育労として障害者ユニオン推進委員会を中心に厚労省に要望を強めていきます。



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