障害者雇用には、さまざまな助成金がある。職場適応のためのジョブコーチの利用、施設整備、通勤用のバスの購入等です。
助成金の支給時期を、来年の1月から4月まで、一時的に変更するという。代表的なものは、ジョブ・コーチを雇用した時に利用できる「第1号職場適応援助者助成金」です。
理由を、厚生労働省に問い合わせると、支給をしている団体の高齢・障害・求職者雇用支援機構の担当者から連絡がありました。
ジョブ・コーチの助成の財源は、障害者雇用をしていない、雇用率に達していない企業から、雇用している企業との調整をはかるために徴収をしている『納付金』で賄われています。
担当者の曰く、「障害者雇用をする企業が多くなり、納付金が少なくなっていて、財源が不足をしているので、ご理解をいただきたい」とのことです。
助成金は、必要があり申請をして支給がされているものです。助成金がなくなるということではなく、遅れても事業所や企業に助成はされますが、事業所や企業にとっては迷惑な話です。
財源がないなら、障害者雇用をすすめていこうとしている厚労省が、国庫を投入すれば良いのです。
国は、「支給するんだから、少しぐらい遅れてもいいのでは」と思っているのです。
事業所や企業は、助成金があるからこそ、ジョブ・コーチを雇い、障害者が困らないようにしていますが、「助成金が遅れるなら、必要だけどもやめることにしよう」ということも考えられます。障害者にとっては、迷惑な話です。
国は、障害者雇用のために、財源を確保するべきです。
まだ、おかしな話はあります。
一時的に遅れるということですから、回復をさせる時期がきます。それは、来年の5月以降と、国は見通しをつけています。
理由は、こんな発言をしました。とても不適切です。
今年の4月から、雇用率が2%とし、対象企業を51名以上としたことで、雇用率が達成できない企業が、今まで以上に増えるというのです。
そうすれば納付金が、今まで以上に集まり、安定した助成金財源ができるというのです。
本末転倒の見通しです。
2%になったことで、簡単に障害者雇用をする企業や雇用されている人数が増えるわけでありません。しかし、それでは、働きたいと思っている障害者は困るわけです。
国は、51名以上の規模の企業が雇用率を達成し、障害者雇用を前進させる義務があります。そのためには、助成金は必要です。
助成金は納付金で賄うのだから、達成しない企業があれば何とかなると思っているのです。
これで、本当に障害者雇用を前進させようと考えているのでしょうか。国の姿勢を疑います。
この状況を見てもわかるように、障害者雇用の施策の行き詰っているのです。
国は、抜本的に障害者雇用施策を見直すべきです。こんなおかしな話が、まかり通っているのは許せません。
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